ヤングガンガン 2007年05号 感想文
2007年2月16日発売 300円
■死がふたりを分かつまで
  第38話 牙-(15)

 Dr.モロー氏の4コマが両作品の特徴を的確に捉えていて素晴らしい。

 井川は前回せっかく良い仕事をしたと思ったのに、やっぱり詰めが甘かったようです。
まぁ電波妨害だけで決着がついてしまうのも微妙でしたし、結局は井川が損な役回りを引き受けることになるのでしょうけど。

 「牙」はシエラを狙撃したり、井川達の乗る装甲車のアンテナを破壊したりと、何気に良い腕前を持っていますね。
軍事兵器を遠隔操作してる自分自身を狙われたときの自衛手段として、多少の心得があるくらいかと思っていたのですが、充分に1人でも戦えそうな感じです。
とはいえその程度では護のような超人に敵わないからこそ、様々な罠を仕掛けつつビーストでの戦闘を挑んだのでしょうが。

 ところで牙はなぜシエラにトドメをささなかったんでしょう?
面識があるというわけでもなさそうですし…他に何か理由があるのかなぁ。

 予知能力によって、祖母と会ってしまうと親戚までもが不幸になると言う遥に対して、護が物凄く嫌そうな顔をしてます。
予知で見えた自分の未来を覆そうとしない遥にイラついているといったところでしょうか?
護は以前、遥に向けて武道の心得についての講釈をしていましたが、あれは護なりに遥が自らの予知を変えるための努力をするよう願ってのことだったのかな…。

 警察の堀川さんが必死に拳銃でビーストに応戦してますが、この人はキャラの掘り下げが全然されてないのでさっぱり感情移入出来ません。
この辺りの展開は余計だったような気が…。
源田刑事の登場でいよいよ護との接触がありそうな流れになってきましたが、この2人の間には何か因縁がありそうなのでどうなるのか楽しみです。


■BAMBOO BLADE
  第47話 キリノとお母さん

 これまでこの漫画で大袈裟な引きをした次の回は、大抵たいしたことのない結果が待っているというのが定石だっただけに、今回のキリノの母親が過労で倒れて入院するという展開にはかなり戸惑いを覚えました。
それでもちゃんとオチをつけてくるところが土塚先生らしいといえばそうですが…。
バンブーは延々ライトなノリで続いていくと思っていたけど、今回のことは確実に次の大会にも響いてくるでしょうし、今までよりもストーリーに重きを置いた内容になるのかもしれません。
母親繋がりで、タマキの母に関しての伏線を回収するきっかけに発展する可能性もあるのかな…?

 ところでサヤは剣道着のまま自転車を漕いでますが、あれは袴の裾がペダルに絡まって大変危険だと思います。(汗)


■カノジョは官能小説家
  第6話 カレは呪われてる人?

 椎名は結構良い部屋に住んでるなぁ。
僕は今度の引っ越しで部屋が狭くなってしまうので羨ましい限りです。
しかし黒鬼先生は小説家やってるのに、椎名からのメールの単純な変換ミスに気付かないのはどうかと思いました…。


■はなまる幼稚園
  第11話 はなまるなお母さん

 今回も山本先生の出番が比較的多くて良かったです。
しかし杏の母親は、クリスマスのときに杏が夢の中で大きくなった姿と似てるなぁ。
まぁ親子ということを意識して描いた結果そうなったのかもしれませんが。
高校生の時点で妊婦だったり、つっちーとの過去に伏線を張っていたりと、何気に重要な人物として今後も登場しそうですね。


■ニコイチ
  第33話 お母さんと家庭訪問

 崇の彼女を登場させて何の意味があるのかと思っていましたが、家庭訪問に繋がる伏線だったんですね。
真琴の性格からして先生とのデートは断れないでしょうし、それを菜摘さんに目撃されたりするのかな。


■ユーベルブラット
  Junge Blatter《若葉》

 ちょっと前から死亡フラグらしきものが見え隠れしていたアトですが、瀕死の状態となってついにこれまでか…と思いきや、ケインツェルが自らの命を分け与えようとする予想外の展開に。
そんな吸血鬼みたいな能力も備わってたんですか…。

 しかしケインツェルはこれまでずっと七英雄への復讐だけを考えて生きてきたのに、その想いがかなりブレてきているように感じます。
以前のケインツェルだったら、アトを助けるようなことはしなかったのではないでしょうか…?
この感情の変化が今後どのようにストーリーに絡んで来るのかがひとつの見所となりそうな気がします。


■ルサルカ 前編
  前嶋重機

 YG創刊2周年アニバーサリー特別読み切り第5弾。
カラーページは凄く上手いと思うのですが、それ以降のページはちょっと見辛いかな…。
ストーリーはありきたりな感じでイマイチ。 後編で印象が変わることを望みます。

 どうでも良いのですが、表紙のタイトル間違ってますね…。

ルカサカ

■荒川アンダーザブリッジ
  第132話 パジャマパーティー/第133話 リクの秘密テープ/第134話 心重ねて

 秘密テープのくだりがそれなりに笑えました。
リクとニノの関係に少しだけ進展が見られたのも良かったです。


■解錠ジャンキー・ロック
  ロック14 時空の旅人

 あまりにも内容がありきたり過ぎて何も言えません。
今どきこんな使い古されたような話をやられてもね…。


■咲 -Saki-
  第11局[伝統]

 1回戦突破後の昼食会ということで、今回は一息入れるための幕間劇かと思いきや、清澄高校の2回戦は1コマどころか行間でいつの間にか終了。
そして次回はもう決勝戦という超スピード展開…。
もうちょっと引っ張ってもバチは当たらないような気がするのですが、その分決勝戦の連載期間を長く取るのかもしれません。
特に副将・大将戦は役者も揃ってますし。

 風越OBのコーチは額に物凄い勢いで血管が浮き出ていて怖いです…。
ところで彼女は風越の大将・黒ニーソ池田さんの七筒切りを批判してますが、まさか213pの2コマ目のことじゃないですよね?
この局で池田さんは七筒を切ってますが、その前にリーチを掛けているので絶対に切らないといけない牌のはず。
それとも、南4局(?)で圧倒的にリードしているのにも拘らず、捨て牌を選べなくなるリーチを掛けてまで上がろうとしたことに対して怒っているのでしょうか。
でも対面にダブル役満でも食らわない限りは逆転されない状況だし、さっさとオーラスを終わらせるにはリーのみで上がるという選択も間違いじゃないと思いますが…。
まぁおそらくは別の局の七筒という意味なのでしょうけど。


■すもももももも 〜地上最強のヨメ〜
  52.男格差に物申す

 今回は作者の考えているキャラ像と読者の考えているキャラ像の間に、かなりの温度差を感じさせるような内容でした。
天下と半蔵は普通にカッコ良く描かれているのでイケメンかと思っていたのですが、作者的にこの2人はブサイクらしいです。
どういう基準で分けられているのかは謎ですが、中途半端な性格の孝士なんかより天下・半蔵の方が個人的にはよほどカッコ良いと思います。


■天保異聞 妖奇士
  #9 蛟-壱

 今回から新章に入りましたが、まだ妖夷がほとんど登場してないことを考えると、今度の話は長くなりそうな気がします。
人魚の話はあまりにもあっさりと決着がついてしまって少々拍子抜けしたので、この話はもっと盛り上げて欲しいです。


■ライオン丸G
  9合.桃色タァンテーブルブル

 『うる星やつら』のテーマソングを使う意味がよく分かりません…。


■あいどる
  Stage26 「始動」

 五十嵐さんが出産後の母体の状態について詳しいのは、ただ単に資格を持っているからというだけではなさそう…?
今のところ全く触れられてないけど、彼女の過去と何か関係あるんじゃないかなぁ。
レイジの相変わらず突拍子もない発想に期待感が高まります。


■ムカンノテイオー
  SCOOP.15

 思っていたよりもあっさりと事件解決。
しかし、タイトルにもなっている「無冠の帝王」という言葉の意味を描くのには、これ以上ないというくらいの締め括り方でした。
話の流れからして最終回かと一瞬疑ってしまったのですが、まだ連載は続く様なのでひと安心。
現在のYGの中でも1,2を争うくらい勢いのある漫画だと思うので、次のシリーズにも期待が高まります。


■ロトの紋章 〜紋章を継ぐ者達へ〜
  #48:Can't withdraw

 アロス達はドラゴンを追って聖双生児と別れてしまったので、今回はアニスとの接触はないのかと思っていたのですが、紋章剣の共鳴によって存在だけは認知したようです。
しかし今回はドラゴン討伐が最優先なのでニアミス程度で終わりそう。

 アロスを踏み台に必殺技を放つリーは、前作グノン戦でのキラとヤオを彷彿とさせます。
ベゼルの放尿シーンに関しても、同じく前作のポロンの同じようなシーンとダブらせるのが目的かな…?


■WORKING!!
  第70話

 山田の当番回。
山田はまだ他のキャラ達とあんまり絡んでないので、新鮮味があって良い感じです。
なんだか性格がいきなり変わったような気もしますが、今後は今回のような雰囲気で統一するのかな。

 そういえば山田ってニーソックスだったんですね。
ワグナリアの制服に黒ニーソの組み合わせはエロ過ぎるような気が…。

 今回特に面白かった4コマ:『ナイスタイミング』、『ぺったり』


■いわせてみてえもんだ
  最終話/いわせてみてえもんだ

 正直、連載中盤から全く面白くなくなって感想を書く気すら起きなかったのですが、最終回は今までの伏線を回収しつつ綺麗に終わったので良かったと思います。


■ミチバタメモリーズ
  小玉有起

 以前に『辻斬りまこちゃん』や、ガンガンカスタムで『百八式』を描いた小玉先生の読み切り。
まずはじめに、作画が凄く上手くなっていたことにビックリしました。
特にまこちゃんの頃と比べるとその差は歴然。
それからこの人の作品はどれも世界観が全然違っていて新鮮味があるのも好印象。

 ベースボールアタッカーのスコアランク1位の人の正体はもちろんバレバレなんだけど、落としどころがそれではなく、バット二刀流の謎が解け、さらにそのネタを膨らませて現実とゲームのエンディングをリンクさせているところが秀逸。
さらに作者HPにて連動企画として制作されたベースボールアタッカーを実際に遊ぶことができ、それをプレイしてからもう一度漫画を読むと新しい味わいがあるという斬新な仕掛けが施されています。
さすがにこれは読み切り漫画だからこそ出来たことでしょうが、それを抜きにしても十分に素晴らしい内容だと思いました。

 個人的にはそろそろ小玉先生の連載があっても良いんじゃないかと思うのですがどうなんでしょう?
他の出版社(竹書房とか)に取られちゃうのはもったいないですよ。


■キズナ
  Episode05

 


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