ヤングガンガン 2007年15号 感想文
2007年7月20日発売 300円
■フダンシズム -腐男子主義-
  ism.1 君と僕と新世界

 5号連続新連載攻勢の第3弾。
もりしげ先生の作品は『花右京メイド隊』くらいしか読んだことがないので、あまり偉そうなことは言えないのですが、この漫画に限って言わせてもらうならば、キャラクターの表情の変化が乏しく、生気があまり感じられないと思います。
主人公に関してはそういうキャラ付けで良いのかもしれませんが、他のキャラも似たような感じなのはどうかと…。

 内容的には「アキバ系メタモル・ラブコメディー」と謳っているくらいなので、ライトなノリの作品となるのは予想できますが、もし女装した主人公と眼鏡の小西さんが仲良くなるような展開になってしまうと、『ニコイチ』と内容が被るような気がします。
まぁさすがにその辺りは回避してくるとは思いますが…。
どうにも「コスプレ」、「女装」、「同人誌」という風に目に見えるキーワードを端から羅列していくと、新鮮味のない作品になりそうな気がしてなりません。


■すもももももも 〜地上最強のヨメ〜
  61.虎金井天々プレゼンツ『女だらけの保健体育』

 そういえば、もも子と孝士が許婚の関係であることはクラスメイトには知られてないんでしたっけ。
というか、別に知られたところで特に大きな不都合が生じるわけでもないですし、今回の話をやる必要性が全くないような気がするのですが…。


■カノジョは官能小説家
  第12話 カレは葛藤する人?

 黒鬼先生のプロットを全否定する椎名ですが、椎名自身も何が悪いのか分からないという状況。
まだまだ編集担当としての力不足を感じさせる納得のいく展開です。
そんな中、黒鬼先生の言葉から何かを掴んだ椎名ですが、ヒントが出過ぎているので容易に推測が出来てしまいますね。
おそらくは黒鬼先生が今までHシーンのために削っていたという人物描写や心理描写を、全く削らずに書かせる…ということではないかと思われます。
しかしそれは逆に読み手を選ぶということにも繋がるので、上手く行くのかどうか疑問が残りますね。


■激流血 〜OVER BLEED〜
  RELOAD.2:逃亡者

 一体何なんでしょう、この漫画は…。
主人公の圭が学校ではイジメを受け、家では家族からも相手にされない人間であることが説明され、残すところは一緒に自殺しようとした明が、なぜ生きていてストリートファイトをやっているのか、ということだけになってしまったような気がしますが…。
圭もそちら側の世界へと巻き込まれていくのかなぁ。


■ロトの紋章 〜紋章を継ぐ者達へ〜
  #58:The monsters escaped out of necessity

 ポロンやレーベンの言っていた戦争というのは、人間と魔物との間で行われているものかと思い込んでいましたが、まさか人間同士の争いだったとは…。
異魔神のような全人類共通の敵がいた時代とは違い、文明の発展などもあって人間同士が憎みあうのも仕方がないといったところでしょうか。

 リーとユイが必死で応戦しているにも拘らず、上から目線で魔物たちを哀れんで傍観しているだけの主人公アロス…。
魔物を攻撃しているリーやユイに口出しして、また口論になりそうな気がします。


■WORKING!!
  第87話

 せっかくタカナシくんと伊波さんがデートをするという流れになったのに、タカナシくんを女装させてしまったのは個人的に凄くガッカリです。
一応、伊波さんには好きな人がいる…と思っているタカナシくんの勘違いを上手く利用した展開ではあるので、それ自体はよく考えられているとは思うのですが。

 なぜ女装したタカナシくんに嫌悪感を覚えるのか考えてみたのですが、たぶん単純に可愛くないからでしょう。
この女装ネタが続く限り、僕はワーキングを楽しめそうにありません…。


■黒神 ニライカナイ編
  FATE.52 憤怒・落胆

・「クロはマジでムカついているんです……この馬鹿男が!!」
 沖縄が大変なことになってしまい、普通なら人々の安否を気遣うようなテンプレ通りの言葉が出るところですが、やっぱりこの漫画は予想の斜め上を行ってくれますね。
まぁ笑えるのはおそらくここまでで、このあとは暴走したクロが自分の力を制御出来なくなり、比kと忍さんを軽くSATSUGAIしたあげく、慶太の制止によって何とか自我を取り戻すと言うお約束のような展開になるのでしょうけど。


■探偵になるための893の方法
  Trouble I The Garbage House《ゴミ屋敷》-(3)

 3話目にしてようやくキャラクター紹介や事件の状況整理が行われました。
かなりの情報量にも拘らずコンパクトに上手く説明されており、分かりやすくて良い感じです。
内容もようやく推理漫画らしくなってきて、ちょっとだけ次が楽しみになってきました。


■天保異聞 妖奇士
  最終回 異界-参

 随分あっさりとした最終回でした。
YGメディアミックス作品の1つとして始まった当漫画でしたが、最後までこれといった盛り上がりのないまま終了してしまったような気がします。

 敵の漢神使いが出て来たときには、ようやく面白くなりそうな要素が投入されたなぁと思ったものですが、結局キャラの掘り下げもほとんどされず、ラスボスなのに何を考えていたのか分からずじまい。
まぁ何を考えているのか分からないのは、主人公側も一緒なのですけどね。
序盤にある程度設定や世界観が語られただけで、あとは淡々と敵を倒していただけという印象しかありませんでした。

 一応フォローしておきますが、アニメの方は最近のキャラクターばかりが目立って脚本の薄っぺらいような作品に比べると、普通にストーリーを重視して見ることの出来る良作だったと個人的には思います。(打ち切られましたけど…)
漫画版の作者はまだ新人の蜷川ヤエコ先生ということで、元々4クールを予定していたほど設定の多いアニメのコミカライズを担当するにはちょっと荷が重かったように思います。


■セキレイ 番外編
  鶺鴒海水浴

 前回の袋とじ番外編は温泉に行く話でしたが、今回は季節に合わせて海水浴。
登場キャラが減った分、あっさりとした印象を受けたり…。
キャラが多かったら多かったで、見分けが付かないとか言うんでしょうけどね。(汗)


■死がふたりを分かつまで
  第47話 Killers-(5)

 新宿御苑が舞台となって戦闘が繰り広げられていますが、実のところ僕は新宿御苑には行ったことがないので、これと行って特別な感想とかはなかったり…。
狙撃ポイントを先に陣取っていた"THE WALL"のメンバーが発した、「ここは俺で満室だ」というセリフがやけに不自然で笑いのツボにはまりました。

 ワイズマンは今のところエレメンツ・ネットワークに不利益となる行動を取っていないため、まだ敵対はしないといった感じですが、裏の世界では犯罪計画者として知られるような男を放っておいても良いのでしょうか…。
アルファと顔見知りらしいのも気になるところではあります。

 御苑の門前には源田刑事の姿も見え、ジュリエットが言うところのイレギュラーな事態が起こりそうな状況に。
ついに護と源田刑事が対峙することになるのでしょうか。


■FRONT MISSION DOG LIFE & DOG STYLE
  STYLE:2 「防人の詩」前編

 前回までの話を導入部として、今号から新たな局面へと切り込んだストーリーが始まると思っていたのですが、どうやらこの漫画は戦争に参加、もしくはそれに巻き込まれた人達の日常をオムニバス形式で描く物語へといつの間にか路線変更していたようです。
個人的にはヴァンツァーの戦闘シーンをもっと見たいので、『THE DRIVE』のような方向性でやって欲しかったのですが…。

 まぁ今回の主人公は幸いにもヴァンツァーのパイロットなので、それなりに戦闘シーンが描かれることを期待したいと思います。


■ユーベルブラット
  Keil《楔》

 魔導兵器が出て来た時点でそんな気はしていましたが、やっぱりバレスター編はシュテムヴェレヒ編とイメージが重複してしまいます。
今回はエルサリアが奪取した戦艦からも砲撃を行うなど、より一層大鑑巨砲主義のような側面が強調されていますが、結局ケインツェルが単身で敵の戦艦へ乗り込んで行っているので、あまり変わり映えがしなかったり…。
ぶっちゃけ0巻の2,3話でも同じようなことをやってるんですよね。
次の七英雄との戦いでは、もっと違う戦闘パターンを展開させて欲しいところです。


■戦線スパイクヒルズ
  #55 Hのブルース

 ヒステリックな母親の言動に悩まされ続けてきたノムラでしたが、何のことはない、自らの意思でそれを拒絶するだけで環境はあっさりと変化したのですね。
もちろん、ノムラがそれだけの行動力を得ることが出来たのは、スウガクやキクチ、チサトさんらに出会ったからなのでしょう。
これで全ての問題が解決し、残るところは早慶大の入試だけでしょうか。

 ノムラを利用するだけだったという本来の計画を話したスウガクに対し、ノムラは能力を使うことなく爽やかにスウガクと別れましたが、これは友人に対しては能力を使わないということなのでしょうか?
一瞬、ノムラが能力を使えなくなってしまったのではないかとも思ったのですが、カッターの刃は相変わらず指先に着けたままなので、さすがにそれは違うかなぁと。


■BAMBOO BLADE
  第56話 コジローと延滞金

 まさかのバンブーアニメ化決定…。
編集部どころか、ゴーサインを出したスクエニの正気を疑いますよ、これは。
上手く説明出来ないのですが、土塚作品に流れる独特の雰囲気をアニメで再現するのは無理だと思うんですよね。
土塚作品が好きな人には、何となくその感覚が分かるんじゃないかと思うのですが…。
そしてその独特の雰囲気がないバンブーは、きっと駄作以下の作品になってしまうような気がします。

 唯一の希望としては、脚本を倉田英之氏が担当されるということですが、個人的に倉田氏の本来の実力が発揮されるのは舛成孝二監督とのコンビを組んだときに限定されるんじゃないかと考えています。
そんなわけで、アニメ化には不安ばかりが募ってしまう今日この頃…。

 気を取り直して本編の感想をば。
タマキが見ているアニメは、どう見ても『マテリアル・パズル』だよなぁ…。(笑)
今回は大きくストーリーが進むこともなく、今後の展開に向けてゆっくりと動き出したという印象。
当面の間気になるのはコジローの処遇だけかと思いきや、サヤの先走りから恐ろしい運命を招くというモノローグでの幕引きも気になるところです。


■キズナ
  Episode 10

 先日、Web拍手にて「私もキズナは意味が分かりません。」という感想を頂きました。
キズナを理解できないのは僕だけということが分かり、凄く救われた気分です。
本当にありがとうございました。

 さて今回はレイが携帯電話を持っていないと言うことと、「一番」というキーワードに反応して覚醒してしまうことが明らかになったわけですが、酒瓶で殴ったら別に覚醒とか関係なく人間は死んじゃうんじゃないかなぁ。
どれくらいパワーアップしたのかの目安が曖昧過ぎて良く分かりませんでした。


■JACKALS
  Kill-34 野獣VS野獣

 ニコルVS王。
何だか良く分かりませんが、全くスピード感のない戦いの末、ニコルが勝ったようです。
おそらく王の敗因は戦闘中に回想シーンへと突入してしまったことですね。
武器を頭上に振り上げてから6ページも回想をしていたら、そりゃあ攻撃も回避されてしまいますよ。

 一方、ハンスVSテュリスは実力の差がはっきりとしていて良いですね。
ハンスはどう考えてもザコだろうと思われていましたが、予想を遥かに超えるザコっぷりに笑いを堪え切れません。
でもハンスは何だかんだ言って生き残りそうな気もします。(汗)


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