ヤングガンガン 2007年14号 感想文
2007年7月6日発売 290円
■激流血 〜OVER BLEED〜
  「RELOAD.1:黒き飛翔」

 5号連続新連載攻勢の第2弾。
相変わらずYGの新連載は、第1話の段階では何をやりたいのか分からなさ過ぎます。
そんなことだから、新連載がなかなか読者に根付かないんじゃないのかなぁ。
読み切りで読者の反応を伺うくらいのことはやって欲しいと思うのですが。

 そんなわけで、現状はほとんど空気みたいな新連載なので特に感想とかはありません。
予告イラストを見た時点では何故かバスケの漫画だと思っていたのですが、全然違うジャンルだったなぁとか、1年前の映像がヨウツベに上がっていたのは分かるけど、『www.overbleed.com』のサイトの動画までヨウツベ仕様なのは何故なんだぜ。


■すもももももも 〜地上最強のヨメ〜
  60.元箱入り娘のアルバイト

 以前、単発の話で終わってしまったと思われた巳屋本組の衰退に関してですが、やはりそこには申の一族が絡んでいたようです。
組の再興のために一生懸命働こうとするいろはですが、あまりにも役に立ってなさ過ぎて痛々しいです。
申の一族に邪魔されたとかならともかく…ね。
委員長もそうですが、いろはに対する扱いの酷さも最近目立ってきたような気がして、僕は悲しいです。


■探偵になるための893の方法
  Trouble I The Garbage House《ゴミ屋敷》-(2)

 この漫画、本当に我孫子武丸先生が原作書いてるんでしょうか…?
何だかトリック部分の考案にちょっと協力してるだけで、それ以外は普通に坂本先生が考えているような気がします。
中途半端な腐女子臭に僕が付いていけないだけなのかもしれませんが、あまりにも内容が薄過ぎますよ…。
御厨さんの会社『D・I・C』が暴力団関係であったことを、今号のサプライズな展開として描いてますが、そんなことは前回の時点で分かり切っていることなんですよね…。
毎回このような展開が続くようでは、早期打ち切りの最有力候補と言っても過言ではないと思います。


■死がふたりを分かつまで
  第46話 Killers-(4)

 井川の装甲車は、カラーリングまで変更出来るんですね。
そのうちトランスフォームしてロボットに…というのは冗談にしても、まだまだ色々な機能が隠されてそうです。

 そしてストーリーにもようやく動きが見られ、次回からは新宿御苑での決戦となる模様。
実在する舞台でどのような闘いが描かれるのか非常に楽しみです。


■WORKING!!
  第85,86話

 前半は個人的にかなりどうでもいい内容。
春菜さん(音尾さんの奥さん)の言動が理解出来ないので、彼女関連の話には全く興味が湧きません。
佐藤さんと轟さんの関係がほんの僅かだけ進んだところだけ唯一楽しめたかな。

 後半はこれまた微妙な内容。
タカナシくんが醤油の特売ごときで必死になっている導入部からして既に不自然なのですが、その後タカナシくんの女装ネタを未だに引っ張ってるのも正直どうかと。
ぽぷらがタカナシ家を訪問するための流れとしては、あまりスムーズとは言えないと思います。
なずなを使えばもっと綺麗な流れになったと思うのですが…。


■JACKALS
  Kill-33 暴走

 見開きカラーでの「首刈り」が非常に良い表情をしていますね。
シェリルの居場所を知ってるから攻撃されないと高を括っていたのに、DQNのニコルにはそんな理屈は一切通じません。
これはある意味、斬新な展開なのかもしれない…。
その後、階下の図書館へと追い込まれた首刈りは、逆にニコルからシェリルの居場所を問い詰められ唖然としてしまっていますが、それもそのはず。
自分の方が有利なカードを持っていたはずなのに、ニコルのDQNという特殊能力だけでいつの間にか状況が逆転してしまっていたのですから無理もありません。

 しかし首刈りもただでは終わりません。
自分の場に伏せカードがあることを思い出し、それをオープン…つまり羅刹房からの生還者・王の不意打ちです。
おそらく首刈りは、最初からシェリルの居場所を教えるフリをしてニコルをそこへと誘い込むつもりだったのでしょう。
ニコルがDQN過ぎてすっかり忘れてしまっていたのでしょうが、上手くいったので結果オーライです。

 本誌を斜め読みしているだけではニコル優勢のように思えてしまうのですが、3回ほど読み返した結果、実はここまでの一連の流れは首刈りの方が優勢であるという結論に達することが出来ました。
しかし残念ながら、主人公補正によってニコルが王に負けることはないと思われるので、首刈りの善戦も無駄になりそうです。

 さて、ここまで今回の首刈りの行動について解説して来ましたが、それでも彼はMVPになることは出来ません。
何故なら、今回は「蜘蛛」ことテュリスの方がそれに相応しい活躍をしているのです。
勘の良い人は既に気付いておられるでしょうが、階下へと降りたニコルと首刈りを爆殺しようとするハンスの攻撃を封じたあの一手こそ、今回のMVPに相違ないからです。
そのまま放っておけば、役立たずの首刈りもろともニコルを始末出来たのに、あえてそれをさせなかった彼女に対して我々は拍手を送るべきでしょう。


■カノジョは官能小説家
  第11話 カノジョは複雑な人?

 椎名が黒鬼先生を苦手分野へと挑戦させたせいで、先生はスランプに陥って机の下に篭ってしまったと当然のように思っていたのですが、今回の先生による「ノリまくり」発言には大きな矛盾を感じました。
しかし、ラストで椎名が先生のプロットを全否定してくれたおかげでその矛盾は即座に解消され、話の展開もまだまだ面白い方向へと転がりそうな感じです。

 それとは全然関係ないのですが、今回はじめて乳首券が発行されてましたね。
でもなぜかアユミの乳首は見せず(乳輪は見えてたけど)、先生の乳首だけを見せるという謎仕様。
普通は逆のような気がするけどなぁ。


■ロトの紋章 〜紋章を継ぐ者達へ〜
  #57:The shadow which approaches

 アロス一行は無事にテドンへと到着。
サクヤがピザになってしまっていたことに対して、僕は少なからずショックを受けているのですが…。

テドンより北の地で戦争が行われているとのことですが、やっぱりカーメン城のことでしょうか?
魔物が確固たる目的の元に動いているのだとしたら、狙いはギアガの大穴とそこにある旅の扉ではないかと。
旅の扉も繋がりがおかしくなってるみたいですが、そこを抑えておけば人間側の行動をそれなりに制限出来ると思われます。


■セキレイ
  第49話 風ノ答エ

 結がNo.08結女へと変わったのは、結女からセキレイの「魂」を与えられたからということですが、そこから予想を立てるにはちょっと材料が足りない感じです。
鶺鴒計画のわりと重要な部分とも絡んできそうな気もするのですが…。

 まもなく風花も皆人のセキレイになると思われますが、これまではただ葦牙との繋がりがあるというだけで羽化していたのに対し、今回は久能たちを帝都から脱出させるための力が必要という理由があります。
今まではかなり背景率の高い主人公でしたが、最近はなかなか出番が増え、葦牙としての成長も見られるので良いですね。


■BAMBOO BLADE
  第55話 タマキと頼れる部長

 やっぱりコジローはタマキを棄権させましたね。
自分のクビが掛かっているというのに、ちゃんと教え子たちのことを思いやれるコジローはカッコイイです。
「解説役」のユージともども、最近はあまり目立っていませんが…。

 最後はキリノの集中力が切れてしまって室江高校は敗退してしまいましたが、あまり残念な気はしません。
コジローがモノローグで語っている通り、「精いっぱいがんばってたくさん学んで、楽しめたならそれでいい」ということですね。
それこそが『BAMBOO BLADE』という漫画の醍醐味なんだと思います。
タマキには直接伝わっていませんが、小西さんを改心させることも出来たみたいですし。

 …とは言うものの、コジローの処遇がどうなってしまうのかは気掛かりですね。
今回までの対戦相手・東城高校の顧問が口利きをしてくれそうな気もするのですが…。

 次号発表のビッグニュースですが、さすがにいきなりアニメ化ということはないでしょう。
おそらくはエニックスお得意のドラマCD化、そしてラジオ番組のネット配信というところではないかと。


■戦線スパイクヒルズ
  #54 バイ バイ Baby

 ノブオが無事フロッピーを手に入れ、ついに因縁の弟子対決は終局。
ここまでかなり盛り上げていたのに、最後は地味というか、あっさり決着がついてしまった感がなくもないのですが、スパヒルはバトル漫画じゃないのでまぁこんなもんでしょう。

 早慶大の入試問題を手に入れるという最大の難所をやり遂げたノムラは、当然日常へと戻るわけで、すっかり忘れてましたが宗教狂いの母親も再登場するわけですね。
今回の話は完全にノムラ視点で描かれているので、果たしてノムラのスッたフロッピーにはちゃんと入試問題のデータが入っていたのかなど、読者側からも結果が分からない状態で進行しているのですが、光向会の集会を通して間接的に情報が入ってくるという見事な構成になっています。

 YG創刊時から連載しているスパヒルもあと数回で終わりだとは思いますが、どんな最終回になるのか非常に楽しみです。
原作を読んでいる方達にとっては自明の理でしょうけど、僕はまだ原作未読なので…。
連載が終了したら原作の方も読んでみようとずっと思ってましたが、ようやく実行に移せそうですね。

・「ちょっと悪いが今北産業」
 さりげなくフキダシ内にこんなセリフが書かれていたり。
残念ながら、状況を三行で説明しているセリフは見受けられませんが。(笑)


■咲 -Saki-
  第19局 [予兆]

 ペンギン泥棒のその後とか、かなりどうでもいいような気がします。
せっかくテンポよく進んでいるんだから、こんなところでページ数を無駄に使うのはどうかと…。
考えられるのは和がペンギンなしで普通に麻雀を打てるようになるための伏線ではないかということですが、それも衣の手にペンギンが渡っている時点で充分のような気がします。

 龍門渕の中堅・国広一の両腕に付いている鎖はただのファッションかと思いきや、手癖の悪さを制限するためという何とも微妙な設定が…。
ガン牌や写輪眼を使えるキャラクター達の存在する咲麻雀において、すり替えやぶっこ抜き程度では彼女らの足元にも及ばないと思われるため、「例の手品」というのは、恐らくそれらに匹敵するほどの必殺技なのでしょう。
鎖から解き放たれたときに、国広一がどのような動きを見せるのか非常に楽しみになりました。

 そして我らが清澄高校の中堅は部長・竹井久ですが、まだ1年生のときの部長を彷彿とさせるこの髪型は良いですね…。
タコス→和と傾倒している僕ですが、次は部長に転びそうな気がします。(汗)


■ムカンノテイオー
  SCOOP.23

 上松がゴミを巻き散らかして取材ネタを捏造しようとしたことに関しては、他局がその事実を報道し、ロクシス側がお詫び放送を流すことによって収束しそうな感じですが、そこからロクシス内部の人間関係に話が発展していくというのは面白いですね。
最近テレビでも話題になった捏造番組には、テレビ局の子会社や下請けが制作していたというものもありますし、ロクシスも六本木テレビの制作子会社なので、そのあたりの現実を反映させていくのでしょうか。

・「ところで週末といえば合…」
 委員長のセリフより抜粋。
週末に合コンでもやるのでしょうか? 何となく伏線の予感がしたので一応書いてみました。

・『癌癌病院』
 帝都テレビのチビの人が、被害者と接触をとった病院。
こんな名前の病院にはお世話になりたくない…ではなくて、『ガンガン』を『癌癌』と表記するのはさすがにどうかと思いました。


■ラブセラピスト 堀口瑠美
  酉川宇宙

 またしても酉川先生の読み切りが登場。
今回はフロントミッションの代原だと思われますが、何だか不定期連載みたいになって来てますね。
読み切りでここまで同じシリーズが続くのもめずらしいので、どこまで行くのか見てみたい気もしますが、酉川先生の漫画が載るのは基本的にYGの連載に穴が空いたときなので、雑誌としてはあまり宜しくない傾向です…。
もちろん、酉川先生は何も悪くないのですが。

 前置きが長くなりましたが本編の感想をば。
今回の患者・「鹿原あゆみ」は、「華原朋美」が元ネタっぽいけどどうなんだろ?
だったらどうだと言うわけではないのですが、こっちの鹿原さんは病気が完治しているので救いがあって良かったなぁと。

 3千円のお札水着や昆布水着など、若干ネタが適当になって来ている気はするのですが、アホっぽくて勢いがあるので思わず笑ってしまいました。
でもさすがにそろそろ苦しい感じはしますね。
次は堀口先生の過去話とかを読んでみたいと思ったのですが、それはイコール最終回となってしまうかな。


■天保異聞 妖奇士
  #17 異界-弐

 唐突に現世と異界が繋がって妖夷が現れ始めたので、何が起こったのか分からなかったのですが、漢神使い2人が対峙したことによってそのような現象が起こったようです。
さすがにちょっと説明不足と言わざるを得ないと思ったのですが、いきなり敵の漢神使いが味方を殺し始めたあたりで、
「あれ? これってもしかして…」と思ったのも束の間、次回が最終回ということで打ち切りが確定していたみたいです。

 まぁアニメの方も視聴率低迷のあげく打ち切られてますし、コミック版も特にアニメ版を上回るような面白要素はなかったので、ある意味打ち切られて当然という気はしますね。
とりあえずはあと1回、どういうラストになるのか見届けたいと思います。


■ウルトラバロック・デプログラマー
  第9回 PERSONALITY MELTDOWN(4)

 解体屋が精神世界で三分割された自分(?)と会話してますが、何だかトリオ漫才を1人で演じているみたいで面白いです。
結構謎が多くて伏線とかも張られているのですが、コミカル演出のせいでどうでも良くなってしまいますけど。

 ノビルを解体する目的がイマイチ分からなかったのですが、ノビルと洗濯屋集団には接点があり、解体屋の脳がクラッシュさせられた背景には洗濯屋集団が絡んでいるらしいということで、根絶丁寧な説明があったため非常に話が分かりやすくなりました。
この漫画は難解な設定と斬新な表現技法のせいで、ストーリーがなかなか分かり辛いため、今回みたいに説明が多いと助かりますね。

 ノビルへの解体が開始されましたが、解体屋の口から発せられる言葉が、実体化したように宙を舞う演出が凄過ぎます。
一見アニメ的な演出なのですが、アニメの場合は音があるためこういう文字を利用した演出はあまりないんですよね。
それを考えるとやはり漫画的な演出ということになるのですが、あまりにも斬新過ぎて何が凄いのか良く分かりません。
擬音語とはまた違うしなぁ。


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